ハードサイダーというお酒。

Green Neighbors Hard Ciderが造るハードサイダーは、りんごを原料に醸造することで造られる果実酒です。
りんごから造られるこの果実酒は、国によって呼び名が異なります。
私たちのブランド名にも冠する「ハードサイダー」はアメリカでの呼ばれ方。
アメリカで大きなうねりを見せているクラフトビールのムーブメントに大きく影響を受けたカルチャーと、アメリカ開拓時代からの歴史、そして自由でオープンなマインドを持つのが特徴です。
基本は洗浄。

発酵タンクや移送用のホース、タンクに接続するパーツ、製品を詰める樽などは、全て徹底的な洗浄を行います。
意外かもしれませんが、醸造において最も基本的なことは洗浄です。
酵母以外の微生物が混入すると、うまく発酵が進まなかったり、ハードサイダーの品質が落ちてしまう原因になります。
醸造所は常に清潔にし、酵母とハードサイダーを脅かす他の微生物を排除しなければいけません。
細心の注意を払い、一つずつ丁寧に洗浄を行います。
りんごの木からりんごの果実へ、
りんごの果実からりんご果汁へ。

4月末ころに美しく咲いたりんごの花は、その後農家さんによる丁寧な生育期間を経て果実へと成長し、極早生品種で夏は8月から、晩生品種で冬の12月ころまで収穫されます。
自ら農家さんのもとへ赴き、直接引き継いだりんごの果実は、専門の搾汁加工施設へ搬入。
フレッシュな状態で搾汁した果汁は酸化防止剤を用いずに、熱殺菌のみを行い、一斗缶へ充填。
一斗缶でのりんご果汁の保管を行うことで、りんごの収穫シーズンだけではなく、通年醸造を可能にしています。
あえて自分たちで全てを行わず、栽培は栽培のスペシャリストへ、搾汁は搾汁のスペシャリストへ依頼する。
私たちは農家さんのりんごから、この搾汁された果汁から、ハードサイダーを造ります。
もちろん、醸造のスペシャリストとして。
高品質の果汁の確保を可能にするとともに、地域の経済循環にもつなげています。
りんごの果汁からハードサイダーへ。

りんごの果汁で満たされた発酵タンクに、お酒づくりに欠かせない微生物の「酵母」を加え発酵させることで、りんごの果汁と酵母の混合液はハードサイダーへと徐々に変貌を遂げます。
こう書くととてもシンプルに見えますが、りんご果汁のブレンド比率、酵母の選定、発酵温度、おり引きのタイミングなどの要素の少しの違いで、完成するハードサイダーは大きく変わります。
シンプルだけれども、酵母という生き物が行う「発酵」と、それにより完成するお酒は、とても複雑なものなのです。
発酵が始まると、酵母は糖を代謝し、二酸化炭素とアルコールを生成します。
発生した二酸化炭素により徐々に発酵タンク中の気体が外に押し出され、りんご果汁の良い香りが醸造所に漂います。
ぽこぽこと二酸化炭素が発生する様子は、見ていてとても愛おしくなります。
酵母を加える前から、おり引きに至るまで、いかに酵母にとって心地の良い環境をつくるか。
仕上がりをイメージしながら一つ一つの要素を定め、毎日様子を観察し、醸造を行います。
りんごにも、そして酵母にもたくさんの種類があり、それぞれが多種多様な特性を持ちます。
そのうちどんな特性を引き出すことができるかが、私たちの腕の見せ所です。
私たちのハードサイダーは、
無濾過、非加熱、亜硫酸無添加です。

発酵は一週間ほどで終了し、役目を終えて下に沈んだ酵母たちを取り除きます。この工程はおり引きと呼ばれます。
役目を終えた酵母たちをそのまま除かないでおくと、酵母たちが自己分解を開始してしまい、オフフレーバーと呼ばれる好ましくない香りが発生する原因になります。
おり引きしたばかりの、若いハードサイダーは香味が未熟です。
若いハードサイダーが貯酒(熟成)を経ることで、味の荒々しさや不快な香りが取り除かれ、成熟した味わいのハードサイダーとなります。
貯酒を終えたハードサイダーは、発酵タンクから樽へと詰められます。
いわゆる樽詰め工程です。
私たちのハードサイダーは無濾過、非加熱処理のため、要冷蔵となります。
貯酒から飲み手の皆さまに届くまで、一貫した低温状態を保つことで、品質の変化を防いでいます。
りんごの生産、果汁の搾汁、醸造と貯酒を経て完成する私たちのハードサイダー。

皆さまに私たちのハードサイダーを一番美味しい状態で楽しんでいただくべく、今日も私たちは醸造所で作業しています。